水上雅敏へ質問　その２

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comment:: 定義の問題もそりゃ重要だが、とりあえず「隠喩」という概念が示す実体を考えようぜ。それを議論するために「隠喩」の定義を議論必要がある、ってだけ。実体を考えるために、実際問題を考えよう。SFは置いておいてな。＞私にとっては「隠喩」とは、これまでの言葉では言いえなかったこと、つまり無、を象徴化する機能ということになります。ラカンの隠喩の式でも、新しいシニフィエが生まれているように。「欲動が赤裸々に語り出した言葉」側のものになるかと思います。について。シニフィエは原則一人一人によって違うものだよな。たとえばキチガイのシニフィエは正常人の主観世界にはないものだ。正常人の主観世界になかったある「新しいシニフィエ」について、キチガイがある言葉をわりあてたとする。その言葉に新しい多義の一つが生じた。しかしその言葉は、人口に膾炙するにつれ、そのシニフィエを失っていくだろう。なぜならその人口の大多数は正常人だからだ。正常人の主観世界にはないシニフィエは失われて当然である。正常人には「隠喩連鎖のパターン」たる「フレーム」がある。細かくは一人一人異なり、また文化によっても異なるが、おおまかに大体共通している何かの「フレーム」がある。それが構造主義が解明しようとしている「構造」だ。この「フレーム」の外部にあるのがキチガイのシニフィエである。その言葉にこびりついた「フレーム」（「すべてのS2に作用するS1」みたいなものだ）がある限り、キチガイのシニフィエはいずれ消滅する。これをわたしは＞「他者の欲望である欲望」に乗って伝染した隠喩連鎖パターンは、他者のいない言葉をひねり潰す。と述べている。そもそも「欲動が赤裸々に語り出した言葉」という言葉の出所は誰だ？　アルトーだ。お前らはアルトーのシニフィエをわかったつもりでいるのかい？わたしはわからないよ。キチガイはキチガイ同士であってもシニフィエが共通するとは限らない。したがって水上さんのその「隠喩」定義は誤りだと言える。実際と矛盾する。
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