『穀物の雨が降る』
2009/05/28/Thu
赤ん坊はコウノトリが運んでくるそうだ。
ならば、コウノトリがぶら下げる袋の中の赤ん坊は胎児だ。
コウノトリにだって天敵はいるだろう。野性の大空で天敵に襲われたコウノトリは、ぶら下げていた袋を落っことしてしまうことだってあるだろう。
空から胎児が降ってくる。
べちゃ、べちゃ、と熟れすぎたトマトみたいに地面で潰れていく。
胎児の雨が降る。
胚種の雨が降る。
誰のせいでもない雨が降る。
血にまみれたハイウェイでは何台もの車が衝突している。
原色の世界。
毒々しいまでにきらびやかな世界。
ここではわたし一人だけが正常人だ。
奴らか僕かがいなくならなければ
そうだ そうだ そうだ
穀物の雨が降る 終わらない雨が
午後五時の日を浴びて
ふーわ ふーわ
光る 光る 最期の街が
全てのものが未知である時、人は迷子になる。
上下さえもわからない無重力状態のような迷子。
重力があるから上下がわかる、というのもおかしい。何故ならうつむけに寝ていたら前に重力がかかっていることになるし、あおむけに寝ていたら後ろに重力がかかっていることになるし、逆立ちしてたら上に重力がかかっていることになる。
自分の体でさえ未知なのだから、自分が起きているか寝ているか逆立ちしているかもわからない。
こんな時、突然胚種の雨が降ってくる。
もっとも原始的な方向である上下を把握する。
絶対的未知の世界からの脱出は、自力によるものではない。
ある時突然降ってくる胚種の雨によるのだ。
ならば、コウノトリがぶら下げる袋の中の赤ん坊は胎児だ。
コウノトリにだって天敵はいるだろう。野性の大空で天敵に襲われたコウノトリは、ぶら下げていた袋を落っことしてしまうことだってあるだろう。
空から胎児が降ってくる。
べちゃ、べちゃ、と熟れすぎたトマトみたいに地面で潰れていく。
胎児の雨が降る。
胚種の雨が降る。
誰のせいでもない雨が降る。
血にまみれたハイウェイでは何台もの車が衝突している。
原色の世界。
毒々しいまでにきらびやかな世界。
ここではわたし一人だけが正常人だ。
奴らか僕かがいなくならなければ
そうだ そうだ そうだ
穀物の雨が降る 終わらない雨が
午後五時の日を浴びて
ふーわ ふーわ
光る 光る 最期の街が
全てのものが未知である時、人は迷子になる。
上下さえもわからない無重力状態のような迷子。
重力があるから上下がわかる、というのもおかしい。何故ならうつむけに寝ていたら前に重力がかかっていることになるし、あおむけに寝ていたら後ろに重力がかかっていることになるし、逆立ちしてたら上に重力がかかっていることになる。
自分の体でさえ未知なのだから、自分が起きているか寝ているか逆立ちしているかもわからない。
こんな時、突然胚種の雨が降ってくる。
もっとも原始的な方向である上下を把握する。
絶対的未知の世界からの脱出は、自力によるものではない。
ある時突然降ってくる胚種の雨によるのだ。
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