2011/12/25/Sun
街、いや国一つまるごと入ってるような巨大な宇宙船を解体する技術者。
解体に設計図などいらない。エントロピーの増大に設計など必要ない。
糞に群がる蝿のよう。蝿もお尻が光れば蛍みたいにもてはやされたかもしれないのに。
結局は世人の言葉だけどね。
解体の仕事には何の関係もない。
蝿や蛍と違うのは、動きがもっと直線的だ。
趣味で解体しているのなら蝿みたいに動いてたかもしれない。だけど仕事だから。
多角形、いや無数のちっちゃな針。
きらきらと、実際は光ってなどいないけど。
直線的でもないか。大雑把に見れば直線的だが、その作業だけ見ていればちょこまかと動いている。
ブラウン運動している粒子みたいだ。
そうだよな、曲線も直線もマクロからの視点で見分けてるにすぎない。
1リットルぐらいのビーカーのような瓶に、びっしりと釣り針が入っていて、その中にちっちゃな胎児がいる。一匹だけしか見えないが、何匹もいるのかもしれないし、針で切り裂かれた部分かもしれない。
ぎゅうっと、凍結するような。
違うんだよ。それはすべて君たちの印象にすぎない。
物の理はそうじゃない。
愛も憎しみもそういう運動にすぎぬ。
解体されていく宇宙船の中を見ながら、解体屋はふとそうつぶやく。
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2011/12/19/Mon
冒険活劇映画で、大きな丸い岩がごろごろ転がってくる罠とかあるじゃん。あれあれ。
で、映画『バイオハザート』で通路で逃げ道ないところでレーザーが向こうからやってくるってあるじゃん。最初はうまくかわしてたけど、網目になってかわしきれなくてなんか眼球が切れたりすんの。
あれあれ。
切り刻まれたらまだまし。
このコンピューターはわたしをもてあそんでいる。
観念して「踏み潰されちゃえー」「切り刻まれちゃえー」となったら、目の前でぴたっと止まる。
止める。
止めているのは誰?
ぱっとというか表面的に考えれば、人間だ。わたしとコミュニケーションしている(つもりの)人間たち。
ほとんどの個体が止める。
人間という種のこの習性を、「父性隠喩」と呼ぶのだろう。ラカン理論では。
ここから。
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つまり一方の性の他方の性に対する、生きることのできる穏やかな関係が打ち立てられうるような避難所には、父の隠喩という媒介の介入が必要である、ということです。
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「生きることのできる穏やかな関係」は、ある種の主体にとっては、「生殺し」になる。
あはん。=====
スリルでホラーな毎日 安手の映画ってとこね
危なっかしくて夜もおちおち眠ってられないくらいにステキ
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イヒヒ。
『アンチ・アンニュイ』な。わたしの抑鬱症嫌いにもあってる。『アンチ・オイディプス』なんてもう古い。
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退屈なんて意味も忘れたわ
刺激なんていつも
飢えたこともないし
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うん。
いつもギリギリ。
2011/12/18/Sun
夢っていうか、二度寝してるときとか、夢と妄想って続いてたりしない?
そんな感じの話。
いや、飲み屋でな、まあそこそこ長い飲み知人と一年ぐらいあってなかったのにぱったりあって。
「人殺してねえか? 大丈夫か?」
とか聞いてきた。
うーむ。
自殺願望みたいな話は酔った勢いの酒の肴みたいなのでするような相手ではあるのだが、わたしを人殺しするような人に思ってたわけだ、彼は。
まあギャグっつーのはわかるけどさ。
多分、「しっちゃかめっちゃかだけど、根は冷酷だ」みたいなわたし評を言っていたので、その彼の脳内わたしの冷酷さが、彼の中で一人歩きしたのかもしれない。
冷酷さが人殺しになる。まあわからなくもない連想だ。
人殺しか。
それでわたしは無差別通り魔殺人を連想する。
雑踏の中。
スポーツバッグにたくさんの刃物いれ、すれ違った人を刺す。三回ないし五回くらい刺すと切れ味が悪くなるので、切れなくなった刃物は捨て、バッグから新しい刃物を取り出す。
背の低いババアなのに誰も取り押さえようとしない。
多分、服とか血まみれだけど、あまりにも普通に歩いているのが、混乱させているのだろう。
刺された人が叫んだり、周りの人がそれに気づくにはタイムラグがある。
そのタイムラグのあいだにわたしはふらふらと人ごみにまぎれる。
でも警察はもう来ているはず。
普通に歩いているから躊躇しているだけで、狙撃班がわたしを狙っているのかもしれない。
あんまりどうでもいい。
わたしはふらふら歩いているようで、計画通りの経路を歩いている。
大きな駅。コインロッカー。
スポーツバッグの刃物も底をついた。
コインロッカーを開けて、新しいスポーツバッグを取り出す。
なんでこんなこと普通にできるんだろう、と夢見心地で思う。
2011/12/12/Mon
石ってとがってるもんなんだよ、上流の石は。それこそそのままで魚の首きれるほどには。
多分、elveさんのせいもあるな。
結構elveさんからテクを盗んでいる。
大野さんよか盗めている。
大野さんも結構盗めたが、いざ盗んだ物を使おうとすると使えない。それはわたしの方の問題。
elveさんから盗んだ物は、結構使える。調子こいて使いすぎてる。
で、使っている物に人間は振りまわされるものだ。
形から入るって大事だよねー。
特に欲望は。
でも、やっぱ最終的に、怖気づく。
それは、なんだろう。
引越ししたばかりの家の中でそわそわしている猫のようなものか。
出られない家だったらよかったのにな。
わたしを閉じ込めておける家だったなら。
2011/12/08/Thu
そりゃわたしブログ読者ならわたしの文章を読んでるんだろうけどさー、わたしは別に見ず知らずのお前たちに「読め」と言っているわけじゃない。
こことかな。
2011/12/02/Fri
夢の話。
児童向けバレエみたいなのを、母と姉三人で見にいく。ちなみに私に実在の姉はいない。姉は大学生ぐらいで、わたしは小学生ぐらい。
内容はわたしにとっては抽象画のような、シュルレアリスムの絵のようなものだった。つまり寝ていた。
帰りのシャトルバスのような乗り物の中で、わたしと同じくらいの小学生の子が、舞台の踊りの一部を真似して、周りの大人たちにウケていた。
で、道中なぜだかカトちゃんケンちゃんやら野球の清原のニュースみたいなのが流れるんだけどそれは割愛。
いつのまにかバスを降りていて、知人に家の途中まで送ってもらうことにする。
母がその人をうまく言いくるめて、自分の家から数十メートルぐらいの角にまで乗せてってもらう。
その角で降りる。
降りて、トランクを開けて、旅行でもしてたのかという大きなバッグを取り出す。
奥の方に、昔の黒いゴミ袋がぎゅうぎゅうづめになっている。こんなところに入れていたなんてなんかやだな、と思う。
別れ際、知人が車を切り返しているとき、母と姉が「バイバイは?」とわたしに言ってくる。わたしにとって「バイバイ」とはまさに別れるときに言うもので、今はそのときじゃないと思うのでしない。タイミングが違う。
車が向こうをむいて、走り去るときにようやくバイバイする。
家まで歩いている途中、姉がバスの中の子供がやっていた踊りの一部を真似する。その一部があったのは覚えている。
わたしは母に言う。
「わたし実は全然覚えてない。もしかして寝てた?」
「いやらしいいびきかいてた。席変わりたかった」
と母は笑って言う。
なんかものすごく母と姉が遠く感じる。
わたしの体は実はあの黒いゴミ袋に入れられて誘拐されているんじゃないかと思った。