ひき肉ちくちく
2007/09/19/Wed
わたしは酔っ払っている。
朝まで飲むなんて大バカのすることだと思いながら朝まで飲む。朝までやっている店が悪いのだとクダを巻く。呆れられてこっちも呆れて店を出る。唾を吐きたくなるほど晴れている。電車はとうに走っている。
電車を降り、駅を出て、歩いている。
酒を原因としたいろんな失敗がわたしに纏わりついてくる。
その時、わたしは見た。
お面を被った天使たち。ふわふわと歩いている。
ここは天国だろうか。違う。もっと、ケバケバしい。毒々しい。華麗なおかつグロテスク。
いつもの朝。いつもの帰路。通勤通学する人々。
でも違う。明らかに違う。なんだこの世界は。
人は物になり、物は悪意になっている。
地面から、肉の甘く腐ったような臭いが湧いている。変色したひき肉の上を歩いている。
天使たちは平気だ。ふわふわ浮いているから。それ以前に、物だし。
気持ち悪い。吐きそう。
物の輪郭が、悪意の輪郭が毛羽立っている。ちくちくしている。
悪意がお面を被って物になる。物が浮かんで天使になる。
――なんだ、この世界は。
朝まで飲むなんて大バカのすることだと思いながら朝まで飲む。朝までやっている店が悪いのだとクダを巻く。呆れられてこっちも呆れて店を出る。唾を吐きたくなるほど晴れている。電車はとうに走っている。
電車を降り、駅を出て、歩いている。
酒を原因としたいろんな失敗がわたしに纏わりついてくる。
その時、わたしは見た。
お面を被った天使たち。ふわふわと歩いている。
ここは天国だろうか。違う。もっと、ケバケバしい。毒々しい。華麗なおかつグロテスク。
いつもの朝。いつもの帰路。通勤通学する人々。
でも違う。明らかに違う。なんだこの世界は。
人は物になり、物は悪意になっている。
地面から、肉の甘く腐ったような臭いが湧いている。変色したひき肉の上を歩いている。
天使たちは平気だ。ふわふわ浮いているから。それ以前に、物だし。
気持ち悪い。吐きそう。
物の輪郭が、悪意の輪郭が毛羽立っている。ちくちくしている。
悪意がお面を被って物になる。物が浮かんで天使になる。
――なんだ、この世界は。