間違っている。
2008/05/22/Thu
たくさんの動物の足が、何十本も見える。
馬だろうか、犬だろうか、よくわからない。足だけしか見えない。
わたしの体は肥大している。むしろ頭が小さくなっているのかもしれない。わたしの頭は、巨大化したわたしの裸の体の上に転がっている。わたしの体は、剥き出しの腸のように、脳のように、なまめかしくしわしわになっている。ひき肉の上に薄く油を塗ったようになっている。ひき肉の大地を、何十本という動物の足が踏みにじる。踏みにじられた泥土から、水玉が跳ねる。無数の水玉。色とりどりの水玉。わたしを切り刻む水玉。交じり合いそうで交わらない水玉。調和というよりせめぎ合っている水玉たち。
どの水玉を選ぶとか、バカバカしい。
わたしを全て飲み込む水玉を、量子レベルに粉砕する水玉を、夢想してもいいじゃないか。
「命の大切さ」とか、なんて居丈高な言葉だろう。おもちゃの大切さを説いているかのようだ。主人の言葉。
「命の尊さ」とか、なんて命を美化しているのだろう。うんこしないアイドルにでもなったかのようだ。奴隷の言葉。
命なんて、大切でも尊くもない。ただ、畏れるべきものだ。畏怖、畏愛、畏敬、それらのように派生するだけのものだ。
こんな簡単なことを、みんな忘れてしまっている。おぞましく生々しい現実的な命を、忘れている。
この「命」は、「自然」に置き換えてもいい。自然は、ただ、畏れるべきもの。畏れる時点で、既に自分は、命、自然と対峙してしまっていること。自分と、命、自然の間には、深い断絶があること。
未開人から現代人になる過程で、忘れてしまったこと。
子供から大人になる過程で、忘れてしまったこと。
あーくそ、なんでわたしが精神分析を擁護しなきゃならねえんだ。部外者に対して。精神分析を学ぼうとしている人間なら、間違っているところを指摘するけど、相手は違う学をきちんと持っていのに、なんで批判しなくちゃいけないんだ。
あーくそ、なんで分裂分析っぽくなってるんだ。いらいらする。
お前ら、わたしは、みんな間違っている。間違っている。間違っていることにさえ、気づこうとしない。
間違っている。お前ら、わたし、全員。人類全て。
間違っている。
「正しい」という概念そのものが、それが存在していることが、間違っている。
馬だろうか、犬だろうか、よくわからない。足だけしか見えない。
わたしの体は肥大している。むしろ頭が小さくなっているのかもしれない。わたしの頭は、巨大化したわたしの裸の体の上に転がっている。わたしの体は、剥き出しの腸のように、脳のように、なまめかしくしわしわになっている。ひき肉の上に薄く油を塗ったようになっている。ひき肉の大地を、何十本という動物の足が踏みにじる。踏みにじられた泥土から、水玉が跳ねる。無数の水玉。色とりどりの水玉。わたしを切り刻む水玉。交じり合いそうで交わらない水玉。調和というよりせめぎ合っている水玉たち。
どの水玉を選ぶとか、バカバカしい。
わたしを全て飲み込む水玉を、量子レベルに粉砕する水玉を、夢想してもいいじゃないか。
「命の大切さ」とか、なんて居丈高な言葉だろう。おもちゃの大切さを説いているかのようだ。主人の言葉。
「命の尊さ」とか、なんて命を美化しているのだろう。うんこしないアイドルにでもなったかのようだ。奴隷の言葉。
命なんて、大切でも尊くもない。ただ、畏れるべきものだ。畏怖、畏愛、畏敬、それらのように派生するだけのものだ。
こんな簡単なことを、みんな忘れてしまっている。おぞましく生々しい現実的な命を、忘れている。
この「命」は、「自然」に置き換えてもいい。自然は、ただ、畏れるべきもの。畏れる時点で、既に自分は、命、自然と対峙してしまっていること。自分と、命、自然の間には、深い断絶があること。
未開人から現代人になる過程で、忘れてしまったこと。
子供から大人になる過程で、忘れてしまったこと。
あーくそ、なんでわたしが精神分析を擁護しなきゃならねえんだ。部外者に対して。精神分析を学ぼうとしている人間なら、間違っているところを指摘するけど、相手は違う学をきちんと持っていのに、なんで批判しなくちゃいけないんだ。
あーくそ、なんで分裂分析っぽくなってるんだ。いらいらする。
お前ら、わたしは、みんな間違っている。間違っている。間違っていることにさえ、気づこうとしない。
間違っている。お前ら、わたし、全員。人類全て。
間違っている。
「正しい」という概念そのものが、それが存在していることが、間違っている。