舞台
2006/12/10/Sun
あなたは、暗黒の舞台に投げ出された。
あなたにあるのは、舞台という地面だけだ。
あなたはそこにいるだけで、何次元かの内の一次元を失ってしまったのだ。
あなたには顔がない。観客にとってあなたは物体でしかすぎない。いや、名前すらないので舞台の一部だと思われているかもしれない。
照明があなたにあたる。頼りなくゆらぐ、曖昧な明かり。
何かしらの器官であなたは光に気付く。それがあなたの前になる。逆が後だ。あなたは顔を手に入れる。
初めて観客はあなたに気付く。暗黒の舞台の上の、あなたという差異を見つけたからだ。
あなたはその顔で、初めて観客に気付く。そして、そこが円形舞台であることに気付く。そして、そこには逃げ場がないことに気付く。ここから逃れるには、舞台を降りるしかないのだ。前後だけでは、いつかは舞台を降りてしまう。あなたは左右を手に入れなければならない。
あなたは横を向く。さっきまで横だったのが前になる。前しか見れないので、後に進むより前に進みたい。
どちら周りで舞台を回るか。どちらにしても自分の尻尾を追いかける犬のようだ。
あなたはすでに自分を知っている。観客に見られている、回る犬のような自分というものを。
――え、病んでるかな? 私。
あなたにあるのは、舞台という地面だけだ。
あなたはそこにいるだけで、何次元かの内の一次元を失ってしまったのだ。
あなたには顔がない。観客にとってあなたは物体でしかすぎない。いや、名前すらないので舞台の一部だと思われているかもしれない。
照明があなたにあたる。頼りなくゆらぐ、曖昧な明かり。
何かしらの器官であなたは光に気付く。それがあなたの前になる。逆が後だ。あなたは顔を手に入れる。
初めて観客はあなたに気付く。暗黒の舞台の上の、あなたという差異を見つけたからだ。
あなたはその顔で、初めて観客に気付く。そして、そこが円形舞台であることに気付く。そして、そこには逃げ場がないことに気付く。ここから逃れるには、舞台を降りるしかないのだ。前後だけでは、いつかは舞台を降りてしまう。あなたは左右を手に入れなければならない。
あなたは横を向く。さっきまで横だったのが前になる。前しか見れないので、後に進むより前に進みたい。
どちら周りで舞台を回るか。どちらにしても自分の尻尾を追いかける犬のようだ。
あなたはすでに自分を知っている。観客に見られている、回る犬のような自分というものを。
――え、病んでるかな? 私。