「生理的にキモイ」
2008/09/02/Tue
「だってあんた、○○クンのこと好きなんでしょ?」
へ?
……そっか、世の中ではこれを「好き」と言うんだ。
でもこれがいわゆる世で言う「好き」ならば、マンガやテレビで学んだ「好き」とは随分印象が違う。
わたしの場合、それは、ダンゴムシのお腹部分が一面に敷き詰められた絨毯の上に、裸で寝っ転がるようなものだ。
裸と言うより、皮膚を剥いだ肉体で。
○○クンのことを考えると、そんな状態になる。
皮膚と肉の間を、無数のか細い節足が引っかいている。
もちろん、それは不快なものだ。
だからわたしは○○クンを避けている。
身体的に苦痛だから、避けている。
むしろこれは、あなたたちの言う「生理的にキモイ」という言葉に当てはまる状態なのではないか?
だけどあなたは、○○クンに対するわたしの言動を観察した上で、わたしの状態を「好き」と表現する。
あなたの言うことだから、あなたの言う通り、わたしは○○クンが好きなのだろう。
ならば、「生理的にキモイ」と「好き」の違いは何?
「キモイのは避けるでしょ。あんた○○クンのこと避けているようで避けてないじゃん。なんだかんだ言って彼のことを見ている。それが好きってこと」
うん。
確かに○○クンのことは引っかかっている。文字通り、皮膚を通り越して肉に直接引っかかっている。
じゃあ、生理的にキモかったら、好きということ?
多分あなたは「違う」と言うだろう。なんとなくわかる。だからわたしは聞かなかった。
聞く必要もなかった。わたしは納得していたから。
少なくともわたしにとって、「生理的にキモイ」ということが、「好き」ということだと。
あなたの言う通りだった。
あなたはわたしを「ウソツキ」だと言った。
わたしにとってはウソじゃないのだけれど、確かにウソだ。ウソじゃない言葉だと、わたしをうまく表現できない。だからウソをつく。
わたしの言葉はウソなのだ。
あなたがそう言うなら、ウソなのだ。
あなたは、そのウソを見て、わたしの状態を「好き」と表現している。
あなたがそう言うなら、「好き」なのだ。
あなたたちは、そうやって、わたしの状態を建設してくれる。わたしの言葉や手足をレゴブロックのように組み合わせて、「わたしの本音」を建設してくれる。
だから、わたしはわたしでいられる。
あなたたちの中で。
世の中で、これを「好き」と言うならば、その通りなのだ。
へ?
……そっか、世の中ではこれを「好き」と言うんだ。
でもこれがいわゆる世で言う「好き」ならば、マンガやテレビで学んだ「好き」とは随分印象が違う。
わたしの場合、それは、ダンゴムシのお腹部分が一面に敷き詰められた絨毯の上に、裸で寝っ転がるようなものだ。
裸と言うより、皮膚を剥いだ肉体で。
○○クンのことを考えると、そんな状態になる。
皮膚と肉の間を、無数のか細い節足が引っかいている。
もちろん、それは不快なものだ。
だからわたしは○○クンを避けている。
身体的に苦痛だから、避けている。
むしろこれは、あなたたちの言う「生理的にキモイ」という言葉に当てはまる状態なのではないか?
だけどあなたは、○○クンに対するわたしの言動を観察した上で、わたしの状態を「好き」と表現する。
あなたの言うことだから、あなたの言う通り、わたしは○○クンが好きなのだろう。
ならば、「生理的にキモイ」と「好き」の違いは何?
「キモイのは避けるでしょ。あんた○○クンのこと避けているようで避けてないじゃん。なんだかんだ言って彼のことを見ている。それが好きってこと」
うん。
確かに○○クンのことは引っかかっている。文字通り、皮膚を通り越して肉に直接引っかかっている。
じゃあ、生理的にキモかったら、好きということ?
多分あなたは「違う」と言うだろう。なんとなくわかる。だからわたしは聞かなかった。
聞く必要もなかった。わたしは納得していたから。
少なくともわたしにとって、「生理的にキモイ」ということが、「好き」ということだと。
あなたの言う通りだった。
あなたはわたしを「ウソツキ」だと言った。
わたしにとってはウソじゃないのだけれど、確かにウソだ。ウソじゃない言葉だと、わたしをうまく表現できない。だからウソをつく。
わたしの言葉はウソなのだ。
あなたがそう言うなら、ウソなのだ。
あなたは、そのウソを見て、わたしの状態を「好き」と表現している。
あなたがそう言うなら、「好き」なのだ。
あなたたちは、そうやって、わたしの状態を建設してくれる。わたしの言葉や手足をレゴブロックのように組み合わせて、「わたしの本音」を建設してくれる。
だから、わたしはわたしでいられる。
あなたたちの中で。
世の中で、これを「好き」と言うならば、その通りなのだ。