しれっとほどほどに
2008/09/11/Thu
演劇の後輩で、Nクンという元高校球児がいた。
体育会系ではあるが、イメージ的には『めぞん一刻』の五代クンの友人のすちゃらか社員のような感じ。
後輩と書いたが、演劇歴の話であって、実年齢はタメだった。
さてこのNクン、原則すちゃらかなのだが、自分がおかしいと思ったことは、目上の人間だろうが初対面の人間だろうが、一言言わないと気が済まない性格をしていた。
要するにわたしと似たような性格をしていたわけだ。
ところが、わたしと決定的に違うところがあった。
わたしも自分がおかしいと思ったことはとにかく口に出さないと気が済まないタチなのだが、わたしはねちっこいのだ。自分が納得しないと終われない。このことをよく「自分が勝つまでやめない」のと同じだなどと言われるが、正直勝ち負けなど関係がない。ただ単に自分がキモチワルイのだ。キモチワルイからどうにかしようとしているだけである。
そうして気がつけば大体場の空気は悪くなっている、と。
これを子供の頃は「完璧主義だ」とか言われていた。ところが出てくるものは全く完璧ではない。当然である。自分が納得すればいいのだから。わたしを「完璧主義だ」と批判めいた口調で評していた母親は、その口で「だらしない」だとか「自分に甘い」などと言っていた。
そんなわたしのねちっこさにストップをかけるのがNクンの役目だった。
彼はわたしになついていた。わたしの子分を自負していたぐらいである。親分であるわたしをなだめるのが彼の生きがい(笑)だったようだ。
いや、なついていたのはわたしの方だ。彼は自分でこう言っていた。
「脂さんを止める時は、とりあえず脂さんが興味持ちそうな話をしれっとテーブルに置いて、食いついたらまた置いて、少しずつその場から遠ざけるのがコツ」
彼にとってわたしはなつかない犬のようなものだったわけだ。
人になつかないわたしであっても、彼の手口にはよく騙された。犬の方からそのポイントを指摘するならば、「しれっと」感が重要である。彼はこの「しれっと」が抜群にうまかった。それをもってわたしは彼をすちゃらかだと表現しているのかもしれない。
最近、チャットの友人にも、このNクンに似たような立場の子がいるが、彼はこの「しれっと」がヘタだ。従ってわたしに手を噛まれることが度々ある。
なんでこんなことを書いたかと言うと、ウィニコットの「ほどほどの母」を考えていたのだ。
わたしにとって「しれっと」が弱点なのは、この「ほどほどの母」なるものが関係しているのだろうか、などと思って一応記してみた。
それだけ。
体育会系ではあるが、イメージ的には『めぞん一刻』の五代クンの友人のすちゃらか社員のような感じ。
後輩と書いたが、演劇歴の話であって、実年齢はタメだった。
さてこのNクン、原則すちゃらかなのだが、自分がおかしいと思ったことは、目上の人間だろうが初対面の人間だろうが、一言言わないと気が済まない性格をしていた。
要するにわたしと似たような性格をしていたわけだ。
ところが、わたしと決定的に違うところがあった。
わたしも自分がおかしいと思ったことはとにかく口に出さないと気が済まないタチなのだが、わたしはねちっこいのだ。自分が納得しないと終われない。このことをよく「自分が勝つまでやめない」のと同じだなどと言われるが、正直勝ち負けなど関係がない。ただ単に自分がキモチワルイのだ。キモチワルイからどうにかしようとしているだけである。
そうして気がつけば大体場の空気は悪くなっている、と。
これを子供の頃は「完璧主義だ」とか言われていた。ところが出てくるものは全く完璧ではない。当然である。自分が納得すればいいのだから。わたしを「完璧主義だ」と批判めいた口調で評していた母親は、その口で「だらしない」だとか「自分に甘い」などと言っていた。
そんなわたしのねちっこさにストップをかけるのがNクンの役目だった。
彼はわたしになついていた。わたしの子分を自負していたぐらいである。親分であるわたしをなだめるのが彼の生きがい(笑)だったようだ。
いや、なついていたのはわたしの方だ。彼は自分でこう言っていた。
「脂さんを止める時は、とりあえず脂さんが興味持ちそうな話をしれっとテーブルに置いて、食いついたらまた置いて、少しずつその場から遠ざけるのがコツ」
彼にとってわたしはなつかない犬のようなものだったわけだ。
人になつかないわたしであっても、彼の手口にはよく騙された。犬の方からそのポイントを指摘するならば、「しれっと」感が重要である。彼はこの「しれっと」が抜群にうまかった。それをもってわたしは彼をすちゃらかだと表現しているのかもしれない。
最近、チャットの友人にも、このNクンに似たような立場の子がいるが、彼はこの「しれっと」がヘタだ。従ってわたしに手を噛まれることが度々ある。
なんでこんなことを書いたかと言うと、ウィニコットの「ほどほどの母」を考えていたのだ。
わたしにとって「しれっと」が弱点なのは、この「ほどほどの母」なるものが関係しているのだろうか、などと思って一応記してみた。
それだけ。