脂的セカイ系――単純で複雑であって、なおかつ単純でも複雑でもなく。
2008/12/05/Fri
現実原則に囚われた世の男性(的な主観世界)たちへ
――もっと単純なことなんだよ。
快楽原則に囚われた世の女性(的な主観世界)たちへ
――そんな単純なことじゃないの。
結局、そういうことだ。
複雑だけど、大人の考える複雑さとは、たとえば隠喩だ。
単純だけど、大人の考える単純さとは、たとえば性欲だ。
違うんだ。
わたしの単純で複雑なことは、そんなことじゃない。
単純で複雑で、だけど単純じゃなく複雑でもないこと。
機械工学で言うところの公差の範疇に収まっていられる人にはわからないこと。
同じ顔をした規格品たちには見えない世界。
犯罪者もストーカーも性倒錯者もキチガイも、それぞれ持っている世界。
あなたたちも持っていたはずの世界。
決して牧歌的などではない世界。
ホモソーシャルが戦ってきた世界。
自分とは違う世界があることが普通である世界。
異世界だけの世界。
個々の異世界が、異なる世界でいられる世界。
異世界じゃない正常な世界が、棄却してきた世界。
正常人の正常人による正常人のための帝国が征服し続けてきた世界。
「同じ世界」という肉布団で、窒息させられそうな、「異世界」たち。
だめだ。
違う。
君は違う。
僕もつい嬉しくて煽ってしまったところはあるけれど、
君は違う。
これ以上近づいたら、僕は君を殺してしまう。
異世界と異世界の衝突は、人の命なんて塵埃のごとく吹き飛ばしてしまう。
君は肉布団にくるまっていればいい。
僕は君を布団から引きずり出したいわけじゃない。
布団の中に、同じ異世界だけど違う異世界があると知っているだけ。
僕は君を愛しているわけじゃない。
君の異世界と何かを共有できるかもしれないという、淡い期待を愛している。
期待は期待だから愛せられる。
期待が事実になると、僕を背後から襲うバケモノになる。
この布団はパンドラの箱だ。
笑ってくれてもいい。自分で中二病チックな物言いだと思っている。
だけど、中にバケモノが入っているのは確実だ。
中には君という異世界がある。
大人たちが住まう「同じ世界」じゃないという意味では、僕がいるのと同じ「異世界」だけど、君の異世界と僕の異世界は別物だ。
異世界と異世界が衝突したら、ものすごいエネルギーになる。
僕や君の存在なんて吹き飛んでしまうだろう。
「同じ世界」という天国に住んでいる大人たちから見れば、虫が共食いしているぐらいのことだろうけどね。
虫の世界であっても、他人から決して理解されることのない世界であっても、僕はこの世界を生きるしかないんだ。
だから、僕は君を殺さない。
君を観察し続けるけれど、布団は剥がさない。
一生夢の中で生きる君の、目を覚まさせない。
僕は、百葉箱だ。
君という不定形な湿度を測るために立ち続ける、百葉箱だ。
……そんなようなことを言われたので、壊しました。
はい。百葉箱を壊したのはわたしです。
いけないことだと知っています。知っているから、わざわざ夜に忍び込んで壊したのです。
だけど、わたしはまだマシです。
わたしよりもっと異世界に侵食された人ならば、夜の百葉箱が襲ってくるから、などと言うのではないでしょうか。
わたしも、夜の百葉箱と昼の百葉箱が別物であることは理解できます。
あなたたちの理屈に妥協した言い方が、先ほど言ったわたしの文章です。
わたしはまだ、あなたたちの世界にいます。
だから罰してください。
異世界の人間は罰せられないけど、わたしなら罰することができます。
わたしが、あなたたちの世界で生きていくために、わたしを罰してください。
自罰パラノイアとか言うんでしたっけ。
なんでもいいんです。
わたしは、わたしがあなたたちの世界で生きているアリバイと証拠が欲しいのです。
たとえば、牢獄などは、アリバイと証拠が同時に手に入れられます。合理的です。
あなたたちがイメージしているような単純なことではないけど、単純です。
あなたたちが研究しているような複雑なものではないけど、複雑です。
わたしは、あなたたちに微笑みかけます。
あなたがわたしについていろいろ考えているあいだは、わたしは正常な世界を生きていられるのですから。
顔文字で表すなら、(・∀・)的な微笑み。
自分で書いててきめえ。
――もっと単純なことなんだよ。
快楽原則に囚われた世の女性(的な主観世界)たちへ
――そんな単純なことじゃないの。
結局、そういうことだ。
複雑だけど、大人の考える複雑さとは、たとえば隠喩だ。
単純だけど、大人の考える単純さとは、たとえば性欲だ。
違うんだ。
わたしの単純で複雑なことは、そんなことじゃない。
単純で複雑で、だけど単純じゃなく複雑でもないこと。
機械工学で言うところの公差の範疇に収まっていられる人にはわからないこと。
同じ顔をした規格品たちには見えない世界。
犯罪者もストーカーも性倒錯者もキチガイも、それぞれ持っている世界。
あなたたちも持っていたはずの世界。
決して牧歌的などではない世界。
ホモソーシャルが戦ってきた世界。
自分とは違う世界があることが普通である世界。
異世界だけの世界。
個々の異世界が、異なる世界でいられる世界。
異世界じゃない正常な世界が、棄却してきた世界。
正常人の正常人による正常人のための帝国が征服し続けてきた世界。
「同じ世界」という肉布団で、窒息させられそうな、「異世界」たち。
だめだ。
違う。
君は違う。
僕もつい嬉しくて煽ってしまったところはあるけれど、
君は違う。
これ以上近づいたら、僕は君を殺してしまう。
異世界と異世界の衝突は、人の命なんて塵埃のごとく吹き飛ばしてしまう。
君は肉布団にくるまっていればいい。
僕は君を布団から引きずり出したいわけじゃない。
布団の中に、同じ異世界だけど違う異世界があると知っているだけ。
僕は君を愛しているわけじゃない。
君の異世界と何かを共有できるかもしれないという、淡い期待を愛している。
期待は期待だから愛せられる。
期待が事実になると、僕を背後から襲うバケモノになる。
この布団はパンドラの箱だ。
笑ってくれてもいい。自分で中二病チックな物言いだと思っている。
だけど、中にバケモノが入っているのは確実だ。
中には君という異世界がある。
大人たちが住まう「同じ世界」じゃないという意味では、僕がいるのと同じ「異世界」だけど、君の異世界と僕の異世界は別物だ。
異世界と異世界が衝突したら、ものすごいエネルギーになる。
僕や君の存在なんて吹き飛んでしまうだろう。
「同じ世界」という天国に住んでいる大人たちから見れば、虫が共食いしているぐらいのことだろうけどね。
虫の世界であっても、他人から決して理解されることのない世界であっても、僕はこの世界を生きるしかないんだ。
だから、僕は君を殺さない。
君を観察し続けるけれど、布団は剥がさない。
一生夢の中で生きる君の、目を覚まさせない。
僕は、百葉箱だ。
君という不定形な湿度を測るために立ち続ける、百葉箱だ。
……そんなようなことを言われたので、壊しました。
はい。百葉箱を壊したのはわたしです。
いけないことだと知っています。知っているから、わざわざ夜に忍び込んで壊したのです。
だけど、わたしはまだマシです。
わたしよりもっと異世界に侵食された人ならば、夜の百葉箱が襲ってくるから、などと言うのではないでしょうか。
わたしも、夜の百葉箱と昼の百葉箱が別物であることは理解できます。
あなたたちの理屈に妥協した言い方が、先ほど言ったわたしの文章です。
わたしはまだ、あなたたちの世界にいます。
だから罰してください。
異世界の人間は罰せられないけど、わたしなら罰することができます。
わたしが、あなたたちの世界で生きていくために、わたしを罰してください。
自罰パラノイアとか言うんでしたっけ。
なんでもいいんです。
わたしは、わたしがあなたたちの世界で生きているアリバイと証拠が欲しいのです。
たとえば、牢獄などは、アリバイと証拠が同時に手に入れられます。合理的です。
あなたたちがイメージしているような単純なことではないけど、単純です。
あなたたちが研究しているような複雑なものではないけど、複雑です。
わたしは、あなたたちに微笑みかけます。
あなたがわたしについていろいろ考えているあいだは、わたしは正常な世界を生きていられるのですから。
顔文字で表すなら、(・∀・)的な微笑み。
自分で書いててきめえ。