スイッチ
2009/03/23/Mon
スイッチが切れた。
痛い。怖い。ぞわぞわする。
だめだ。
……しっかりしなきゃ。
ずるずる、ずるずる、ずるずる、……。
言葉にできない夢を見た。抽象的、と言っていいのか。そう言うと前衛アートみたいなイメージを惹起されそうなので躊躇する。
抽象的……、抽象的に述べてみよう。
アルミホイルをくしゃっと適当に潰す。広げる。しわができている。しわで区切られた区画一つ一つにどぎついさまざまな色を流し込む。夜中の火山噴火の映像のような、この場合黒と赤で統一されているけどそういった統一感はなく、だけどどぎつさという印象ではそれと似たような空間が広がっている。
それが蠢いている。
ストーリーはない。
ただそれだけ。
寝汗をびっしょりかいていた。
起きて水分を取った。その時、アルミホイルのしわという鋭角的な区画線から、素足で泥の上を歩いた時指の間から泥が出てくるような感じで、にゅるっと丸いものが出てきた。
断っておくが覚醒時の話であり、そういったシーンを見たというわけではない。いや、おそらく睡眠時であった、火山噴火の映像のようなシーンも実際に見たというわけではない。言葉にできないから、比喩的にその印象を代理表象しているのである。
水分が体に染み渡ったという身体的反応が、にゅるっと丸いものが出てきたこと、になるのだろうか。
多分、夜中に水分を取らなかったら、この夢(?)の記憶は残らなかったように思う。夢のしじまで水分を取ったから、印象として保存されたのだと。
にゅるっと丸いものが出てこなかったら、火山噴火のような印象は覚えていなかっただろう。
にゅるっと出てきた丸いものはおそらくシニフィアンスだ。……いや、他者と共有できるのがシニフィアンスとするならシニフィアンスの卵と言えるか。ファルスならば他者を原因として発生するのでファルスの卵だとは言えよう。
他者と共有する前のシニフィアンス。
火山噴火の中で燃えているわたしにとって水分を取った時のわたしが他者なのか。ならば他者はある。しかし他者と共有できない。交換できない。ラカン論的な他者を根拠にしていないから、実際の他人には理解されないものとなるだろう。
これが間主観的自己感の一層下の中核自己感だろうか。層状の自己感はそれぞれ他の自己感にとって他者だと言うなら。
この丸いものは思ったより固そう。甲虫だ。……そっか。
新生自己感においてか中核自己感においてか知らないが、なんらかの、複層状の自己感を縫いつける役割を持っている要件が、あるはずだ。層がばらばらにならないための。
生の欲動、ネゲントロピーか。……つまんない展開だな。
しわで区画割りされた色は流動している。区画割りされたままではない。感情的なものだろう。欲動に親近した。
そこから丸く固いものがにゅるっと出てくるのも欲動だろう。これは理性的だ。
うん。わけのわからない夢に翻弄されて、起きて水分を取って理性的な状態に戻れた、と言えばなんとなく想像してもらえるだろうか。
くたびれた。
痛い。怖い。ぞわぞわする。
だめだ。
……しっかりしなきゃ。
ずるずる、ずるずる、ずるずる、……。
言葉にできない夢を見た。抽象的、と言っていいのか。そう言うと前衛アートみたいなイメージを惹起されそうなので躊躇する。
抽象的……、抽象的に述べてみよう。
アルミホイルをくしゃっと適当に潰す。広げる。しわができている。しわで区切られた区画一つ一つにどぎついさまざまな色を流し込む。夜中の火山噴火の映像のような、この場合黒と赤で統一されているけどそういった統一感はなく、だけどどぎつさという印象ではそれと似たような空間が広がっている。
それが蠢いている。
ストーリーはない。
ただそれだけ。
寝汗をびっしょりかいていた。
起きて水分を取った。その時、アルミホイルのしわという鋭角的な区画線から、素足で泥の上を歩いた時指の間から泥が出てくるような感じで、にゅるっと丸いものが出てきた。
断っておくが覚醒時の話であり、そういったシーンを見たというわけではない。いや、おそらく睡眠時であった、火山噴火の映像のようなシーンも実際に見たというわけではない。言葉にできないから、比喩的にその印象を代理表象しているのである。
水分が体に染み渡ったという身体的反応が、にゅるっと丸いものが出てきたこと、になるのだろうか。
多分、夜中に水分を取らなかったら、この夢(?)の記憶は残らなかったように思う。夢のしじまで水分を取ったから、印象として保存されたのだと。
にゅるっと丸いものが出てこなかったら、火山噴火のような印象は覚えていなかっただろう。
にゅるっと出てきた丸いものはおそらくシニフィアンスだ。……いや、他者と共有できるのがシニフィアンスとするならシニフィアンスの卵と言えるか。ファルスならば他者を原因として発生するのでファルスの卵だとは言えよう。
他者と共有する前のシニフィアンス。
火山噴火の中で燃えているわたしにとって水分を取った時のわたしが他者なのか。ならば他者はある。しかし他者と共有できない。交換できない。ラカン論的な他者を根拠にしていないから、実際の他人には理解されないものとなるだろう。
これが間主観的自己感の一層下の中核自己感だろうか。層状の自己感はそれぞれ他の自己感にとって他者だと言うなら。
この丸いものは思ったより固そう。甲虫だ。……そっか。
新生自己感においてか中核自己感においてか知らないが、なんらかの、複層状の自己感を縫いつける役割を持っている要件が、あるはずだ。層がばらばらにならないための。
生の欲動、ネゲントロピーか。……つまんない展開だな。
しわで区画割りされた色は流動している。区画割りされたままではない。感情的なものだろう。欲動に親近した。
そこから丸く固いものがにゅるっと出てくるのも欲動だろう。これは理性的だ。
うん。わけのわからない夢に翻弄されて、起きて水分を取って理性的な状態に戻れた、と言えばなんとなく想像してもらえるだろうか。
くたびれた。