笑みが怖い。
2009/04/27/Mon
未去勢者も他人と繋がりたがっている。それはいい。しかしそこだけを見て、「ほうら、僕と君の間には決定的な隔たりなんかないんだよ。怖がらず僕の胸に飛び込んでおいで」と笑みを浮かべながら腕を引っ張る斎藤環のような奴が一番不快だ。怖い。キャバのスカウトみたいだ。
その笑みが怖いんだよ。
男が二人いる。
二人とも、三十代でコンビニのバイトをして生計を立てているような、しょぼくれた人生を送ってきた。
そんな二人がジャングルで野営している。戦場だった。
多少体格がいい方の男が、体格のよくない男に語りかけている。
どうやら銃を取り上げられたらしい。誰にかも覚えてないが、とにかく気がついたら銃を取り上げられていたのだそうだ。
ほとんど愚痴である。それを体格のよくない男が目も合わさず聞いている。
体格のいい男は、やがて「銃が、銃が、……」とうわごとのように繰り返す。
それまで大人しく聞いていた体格のよくない男が、突如立ち上がって、体格のいい男をナイフで刺す。
何度も刺す。
体格のいい男は断末魔の叫びも上げられないまま死んでいった。ひき肉にされていった。
体格のよくない男は蚊の鳴くような声でつぶやく。
「……俺は、最初から銃なんて持たされてなかったよ」
わかった。
逆精神分析は蟻地獄でなければならない。
自分から獲物を捕らえにいってもよいが、最終的に自分のフィールドへと相手を引きずり込まなければならない。
何故なら、大多数の正常人は、大多数が「現実」だと思っている幻想のフィールドで生きているからだ。
彼らにとっての精神分析はフィールドの問題ではない。
しかし逆精神分析はフィールドが大事なのだ。
正常という精神疾患によって洗脳される「現実」という幻想から、ラカン的な意味での現実に引きずり下ろさなければならない。
相手を。
相手が誰だろうと関係ない。
その笑みが怖いんだよ。
男が二人いる。
二人とも、三十代でコンビニのバイトをして生計を立てているような、しょぼくれた人生を送ってきた。
そんな二人がジャングルで野営している。戦場だった。
多少体格がいい方の男が、体格のよくない男に語りかけている。
どうやら銃を取り上げられたらしい。誰にかも覚えてないが、とにかく気がついたら銃を取り上げられていたのだそうだ。
ほとんど愚痴である。それを体格のよくない男が目も合わさず聞いている。
体格のいい男は、やがて「銃が、銃が、……」とうわごとのように繰り返す。
それまで大人しく聞いていた体格のよくない男が、突如立ち上がって、体格のいい男をナイフで刺す。
何度も刺す。
体格のいい男は断末魔の叫びも上げられないまま死んでいった。ひき肉にされていった。
体格のよくない男は蚊の鳴くような声でつぶやく。
「……俺は、最初から銃なんて持たされてなかったよ」
わかった。
逆精神分析は蟻地獄でなければならない。
自分から獲物を捕らえにいってもよいが、最終的に自分のフィールドへと相手を引きずり込まなければならない。
何故なら、大多数の正常人は、大多数が「現実」だと思っている幻想のフィールドで生きているからだ。
彼らにとっての精神分析はフィールドの問題ではない。
しかし逆精神分析はフィールドが大事なのだ。
正常という精神疾患によって洗脳される「現実」という幻想から、ラカン的な意味での現実に引きずり下ろさなければならない。
相手を。
相手が誰だろうと関係ない。