全ての方向に伸びる螺旋階段
2009/05/20/Wed
もういい。
言わなくていい。
それは多分、あなたにとって大事な言葉でしょ?
じゃあ言わなくていい。
わたしはそれさえ壊してしまうだろうから。
この世には見せかけの言葉しか存在しない。
もしあなたがそれを言ったら、見せかけの言葉に紛れてしまう。
見せかけでも大事でもおんなじ言葉。
あなたのその言葉は見せかけだけしかない世界で安住する。
だけど、そこからこぼれ落ちたエネルギーが、その世界を破壊する。
だから言わなくていい。
言葉になる寸前で、それを留めておいて。
あなたの真実を。
でなきゃ、わたしは破壊してしまう。
言葉になる寸前の領域。
まるで平均台のよう。
そこにしか真実は存在できない。
わたしの役割は、それを破壊すること。
これは宇宙的システムにおける役割だから、わたしがどう思おうと、そうしてしまう。
わたしは火花の中に住んでいる。
精霊になる寸前の精霊。天使になる寸前の天使。仏になる寸前の仏。人間になる前の……。
もしあなたが宇宙的システムに気づいていたら、わたしには近づかなかったでしょう。
宇宙的システムに気づかなかったなら、わたしに気づかなかったでしょう。
あなたという人間がわたしを見つけたんじゃない。量子の仮設的な集合体としてのあなたが、その運動が、たまたまわたしに気づいただけ。
あなたが完璧な人間だったなら、わたしに気づかなかったでしょう。
絡みあう火花。ホルマリン漬けの寄生虫みたい。
あなたは人間としても不完全だし、ただの物体としても不完全だ。
だからわたしに気づいてしまう。
わたしに眉をひそめてしまう。
全ての方向に伸びる螺旋階段。
全ての方向に伸びているから、あなたはそれを下り階段だと認知するでしょう。
せめて方向が制限されていたなら、あなたは階段を下りずに済んだ。上下を認知できた。
人気のラーメン屋に並んでいるようなものなのだ、あなたは。あなたという生は。
死という順番を待っているだけ。
ネットイナゴのように炎上したサイトに集まってはすぐ離散するような存在ではない。
だからあなたは健康なのだ。
その喉を切り裂きたくなる。
言葉にしなければ真実は顕現しない。破壊できない。
だからあなたは何も言えなくなっている。
だからわたしは「黙ってて」と言っている。
「言葉にしなくてもわかりあえる関係」と全く逆の関係。
お互いが絶対的未知であろうとして沈黙している。
信頼を確かめあうための沈黙ではなく、疑惑を深めあうための沈黙。
これがセックスの本性。
わたしが言っていることはとてもみじめで女々しいことです。
ただの遊びだったのに愛しあっていると勘違いしていた女の愚痴と同じものです。
だからもう、何も言わないで。
信頼を傷つけあいましょう。
人格を罵りあいましょう。
わたしはもうあなたが誰だかわかりません。
耳朶や鎖骨や喉仏など、組み立てればあなたになるであろう部品しかありません。
それをあなただと確かめるためには、あなたを解体するしかないのです。
だからもう、何も言わないで。
言わなくていい。
それは多分、あなたにとって大事な言葉でしょ?
じゃあ言わなくていい。
わたしはそれさえ壊してしまうだろうから。
この世には見せかけの言葉しか存在しない。
もしあなたがそれを言ったら、見せかけの言葉に紛れてしまう。
見せかけでも大事でもおんなじ言葉。
あなたのその言葉は見せかけだけしかない世界で安住する。
だけど、そこからこぼれ落ちたエネルギーが、その世界を破壊する。
だから言わなくていい。
言葉になる寸前で、それを留めておいて。
あなたの真実を。
でなきゃ、わたしは破壊してしまう。
言葉になる寸前の領域。
まるで平均台のよう。
そこにしか真実は存在できない。
わたしの役割は、それを破壊すること。
これは宇宙的システムにおける役割だから、わたしがどう思おうと、そうしてしまう。
わたしは火花の中に住んでいる。
精霊になる寸前の精霊。天使になる寸前の天使。仏になる寸前の仏。人間になる前の……。
もしあなたが宇宙的システムに気づいていたら、わたしには近づかなかったでしょう。
宇宙的システムに気づかなかったなら、わたしに気づかなかったでしょう。
あなたという人間がわたしを見つけたんじゃない。量子の仮設的な集合体としてのあなたが、その運動が、たまたまわたしに気づいただけ。
あなたが完璧な人間だったなら、わたしに気づかなかったでしょう。
絡みあう火花。ホルマリン漬けの寄生虫みたい。
あなたは人間としても不完全だし、ただの物体としても不完全だ。
だからわたしに気づいてしまう。
わたしに眉をひそめてしまう。
全ての方向に伸びる螺旋階段。
全ての方向に伸びているから、あなたはそれを下り階段だと認知するでしょう。
せめて方向が制限されていたなら、あなたは階段を下りずに済んだ。上下を認知できた。
人気のラーメン屋に並んでいるようなものなのだ、あなたは。あなたという生は。
死という順番を待っているだけ。
ネットイナゴのように炎上したサイトに集まってはすぐ離散するような存在ではない。
だからあなたは健康なのだ。
その喉を切り裂きたくなる。
言葉にしなければ真実は顕現しない。破壊できない。
だからあなたは何も言えなくなっている。
だからわたしは「黙ってて」と言っている。
「言葉にしなくてもわかりあえる関係」と全く逆の関係。
お互いが絶対的未知であろうとして沈黙している。
信頼を確かめあうための沈黙ではなく、疑惑を深めあうための沈黙。
これがセックスの本性。
わたしが言っていることはとてもみじめで女々しいことです。
ただの遊びだったのに愛しあっていると勘違いしていた女の愚痴と同じものです。
だからもう、何も言わないで。
信頼を傷つけあいましょう。
人格を罵りあいましょう。
わたしはもうあなたが誰だかわかりません。
耳朶や鎖骨や喉仏など、組み立てればあなたになるであろう部品しかありません。
それをあなただと確かめるためには、あなたを解体するしかないのです。
だからもう、何も言わないで。