「光/闇」は二項対立ではない。
2010/06/25/Fri
中二病ファンタジーのみならず一般人の常識としてある「光/闇」という二項対立。
これが間違っている。
この二項対立は人為的なものだ。「闇」とは「光がない状態」でしかなく、つまりこれは「光」に注意を向けさせる罠なのだ。『アンチ・オイディプス』が言うところの「近親相姦を禁忌にすることで子は親を欲望しているとする罠」と同じ類の罠だ。
これは二項対立などではなく、「光に関わる物性」の一つにすぎない。
では本当の二項対立とは。光に対応する物とは。自然の理による、光と二項対立する物とは。
「光/物」である。
質量のあるなし、電荷のあるなしが問題なのである。
「光/闇」とは光を神とする宗教者たちが施した罠である。
われわれはこれに騙されてはならない。
われわれは光などではない。物である。
この記事から。
=====
ある老魔女のつぶやき。
「あたしゃね、人の心が読めるだなんて言われてるけどね、あれ嘘だよ。全然読めない。村人たちの方がよく読めている。じゃあなんでそんなこと言われるかっていうとね……そうだね、あたしゃ物は知ってるんだ。お前たちが知っている物じゃない物。お前たちの物は心がそう見させている物で、あたしが見ている物とは違う。物ってな、ほれ、そこのカップって固いものも物、それに入っているホットミルクだって物、風だって物。まあこれくらいはそう見えている村人もいると思うがね。その次があるんだよ。物っていうのはね……そうだね、お前雷見たことあるかい? そう、あれ。あれとか、お祭りの時に使うかんしゃく玉ってあるだろ? あれの、かんしゃく玉じゃなくて、破裂した一瞬。それや、火花とかね、あれの、もっと本当に小さいのが、集まって物になってるんだ。信じられないかい? でもそうなんだよ。砂や小麦粉なんかより、さらにもっともっと小さい、爆発。もちろんお前の体だって物だから、そうなんだよ。小さい無数の爆発が途切れなく起きているのが、お前やあたしの体であり、このカップだ。爆発回数が少なくなればミルクになる。もっと少なくなれば風になる。全く爆発していない物なんてないんだ。いや、ないとも言えないか。物と言えるかどうかわからないが、光がそうだ。あれは全く爆発していない。物が爆発した後に生じることはあるが、それ自体は爆発していない。だからあたしゃ光が嫌いなんだ。爆発してるってことは痛いってことだからね。他の物全てが痛みを感じているのに、光だけは痛みを感じない。そのくせ、光は物を傷つけるんだよ。爆発を誘うんだ。なんてずるいんだろう! ……ああごめん、長くなったね。あたしゃ物がそうであることを知ってる、って話だ。でも、お前たちはこのカップがそうだとは、とても思えないだろう? それは心のなせる業なんだが、あたしは心ってなそういうものだと思うんだ。全体像だけの世界。木の葉は見ずに木だけを見る世界。あたしはそんな世界知らない。だから人の心なんかわからない。でも、物がどうなっているかは知っているから、村人に、「お前はこう見ているが、実はこうなんだよ」とは言える。これがね、それこそあたしが言った言葉の全体だけを捉えて、「人の心が読める」だなんて言い草になったんじゃないかって思うんだ」
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これは魔女を存在しないものとするための罠なのだ。
これが間違っている。
この二項対立は人為的なものだ。「闇」とは「光がない状態」でしかなく、つまりこれは「光」に注意を向けさせる罠なのだ。『アンチ・オイディプス』が言うところの「近親相姦を禁忌にすることで子は親を欲望しているとする罠」と同じ類の罠だ。
これは二項対立などではなく、「光に関わる物性」の一つにすぎない。
では本当の二項対立とは。光に対応する物とは。自然の理による、光と二項対立する物とは。
「光/物」である。
質量のあるなし、電荷のあるなしが問題なのである。
「光/闇」とは光を神とする宗教者たちが施した罠である。
われわれはこれに騙されてはならない。
われわれは光などではない。物である。
この記事から。
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ある老魔女のつぶやき。
「あたしゃね、人の心が読めるだなんて言われてるけどね、あれ嘘だよ。全然読めない。村人たちの方がよく読めている。じゃあなんでそんなこと言われるかっていうとね……そうだね、あたしゃ物は知ってるんだ。お前たちが知っている物じゃない物。お前たちの物は心がそう見させている物で、あたしが見ている物とは違う。物ってな、ほれ、そこのカップって固いものも物、それに入っているホットミルクだって物、風だって物。まあこれくらいはそう見えている村人もいると思うがね。その次があるんだよ。物っていうのはね……そうだね、お前雷見たことあるかい? そう、あれ。あれとか、お祭りの時に使うかんしゃく玉ってあるだろ? あれの、かんしゃく玉じゃなくて、破裂した一瞬。それや、火花とかね、あれの、もっと本当に小さいのが、集まって物になってるんだ。信じられないかい? でもそうなんだよ。砂や小麦粉なんかより、さらにもっともっと小さい、爆発。もちろんお前の体だって物だから、そうなんだよ。小さい無数の爆発が途切れなく起きているのが、お前やあたしの体であり、このカップだ。爆発回数が少なくなればミルクになる。もっと少なくなれば風になる。全く爆発していない物なんてないんだ。いや、ないとも言えないか。物と言えるかどうかわからないが、光がそうだ。あれは全く爆発していない。物が爆発した後に生じることはあるが、それ自体は爆発していない。だからあたしゃ光が嫌いなんだ。爆発してるってことは痛いってことだからね。他の物全てが痛みを感じているのに、光だけは痛みを感じない。そのくせ、光は物を傷つけるんだよ。爆発を誘うんだ。なんてずるいんだろう! ……ああごめん、長くなったね。あたしゃ物がそうであることを知ってる、って話だ。でも、お前たちはこのカップがそうだとは、とても思えないだろう? それは心のなせる業なんだが、あたしは心ってなそういうものだと思うんだ。全体像だけの世界。木の葉は見ずに木だけを見る世界。あたしはそんな世界知らない。だから人の心なんかわからない。でも、物がどうなっているかは知っているから、村人に、「お前はこう見ているが、実はこうなんだよ」とは言える。これがね、それこそあたしが言った言葉の全体だけを捉えて、「人の心が読める」だなんて言い草になったんじゃないかって思うんだ」
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これは魔女を存在しないものとするための罠なのだ。