アブラブログ

「そうならざる得ない。」
「そうならざる得ない。」
「そうならざる得ない。」

これ「男」たちのおまじないだよな。みんな同じようなことを言う。
「他の偉い先生もそうしている」
これもそうだ。「そうならざる得ない。」の理由を聞いたら、「他のみんなもそうだから」と大体が言う。
男も女も。

それを分析するのが精神分析なんじゃないのけ？
「他のみんなもそうだからそうならざる得ない。」
これを分析的に見るから、「ペスト」だなんて言われるんじゃないのけ？
これを「三人の囚人」だとか揶揄的に言うから、精神分析は人間から嫌われてるわけだろ。

牢屋の中にいたがる、非文明的な環境にいたがる人間がいてもおかしかないだろ。
他の囚人が走り出そうとするから走り出しちゃうのか？
まあそれはわからなくもないな。お互い警戒しあっている状況で、相手が何か動くことでびくって反応しちゃうのは、動物行動学的にそうなるだろう。
だとしたらフェイントなどが有効になるだろう。つか「三人の囚人」自体がフェイントテクニックありなら推論として成立しないよな。
剣道なんてそうだぞ。踏み込むフェイントを見せて、相手に打ってこさせる。打ってこさせた方が隙ができるからな。あたしなんか特に体小さいし、そうしないと一本取れない。得意技は出小手でした。
でもまあフェイントってフェイントだとわかるんだよな。長くやってると。「あ、（本気で）打ってこなさそうだな」とわかる。
だから、フェイントをフェイントだと思われないような態勢を保っていなければならない。
「次の瞬間どう動いてくるのか相手が予測できない態勢」
これが中段の構えの理屈なんだよ。
いわば、中段の構えってな、ラカン的な意味での「現実」であり「女」だ。
「そうならざる得ない。」が通用しない構え。
うまい人はほんと威圧感あるよ。上段とかはわかりやすい威圧感だが、中段の人の威圧感もある。
上段の人とは少し違う「予測できない威圧感」が。

ああそうそう、ただの余談だが、一般的な語義と違う禅的な意味の「自然」には、「自律」的な意味あいもあるよ。「自ずと然り」なんだから。
人間の欲望とはそういった意味での「自然の理」から逸脱しようとする習性だ。
そしてこの「自然の理」が現代で言えば複雑系であるのは、そこいらの仏教論でよく語られていることだ。特に華厳あたりそうなんじゃね。
「予測できない」という理。

人間（精神）の理と自然の理は別物。
自然の理の側から、科学の視線で、人間（精神）の理を見ようというのが精神分析。
まあそういう話。